基本的な症状

捻挫

足首を捻るなど強い力がかかり、関節を無理なく動かせる範囲以上に動かしてしまったときに、関節や靭帯などを損傷してしまうことを捻挫といいます。
本来、手首や足首は自分の体重を支えられる強さをもっていますが、関節が開いた状態だと耐久性が下がり捻挫を発症しやすくなります。
しっかりと準備運動を行い関節を慣らすことでケガを防いでいきましょう。

打撲

打撲とは、身体を何かにぶつけたり転んだりした時の衝撃で内部組織が損傷を起こすことで、全身のあらゆる部位に起こります。
損傷した部分の毛細血管が皮下出血を起こしあざになったり、腫れたり、赤みをおびたりします。
別名を「打ち身」と言い、サッカーや野球などの球技を行うスポーツでよく起こります。

ジャンパー膝

ジャンパー膝とは名前が示すごとく、バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作を頻繁に行ったり、サッカーのキック動作やダッシュなどの走る動作を繰り返したりするスポーツに多くみられる、使いすぎ（オーバーユース）に起因する膝のスポーツ障害です。
特に、骨の成長に筋肉の成長が追いついていない成長期のスポーツ選手は注意が必要です。
軽い症状の場合は、太もものストレッチと練習後のアイシングを徹底することで治っていきますが、重症の場合は縫合手術が必要になります。

突き指

突き指は、ボールが指に当たるなど指に対して大きな力が加わることで、指にある靭帯が部分的に断裂をすることで発症し、痛みや腫れがともないます。
ボールを手で扱うスポーツ全般でとても多く発症するので、人によって対応方法が違います。
ひどい場合は、後遺症になってしまう可能性もありますので、「指の形が変形している」「腫れがひどく内出血している」「関節が全く動かない」場合はすぐにご相談ください。
突き指は引っ張ればいいと思っている方が多いですが、引っ張ると余計に靭帯を傷つけてしまう恐れがあるので絶対にやらないでください。
正しい応急処置は、患部を冷やし包帯やテーピングで固定することです。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、ゴルフやテニスなど、強い腰の回転を頻繁に行うスポーツで多くみられます。
腰への負担により、背骨を形成している椎骨と椎骨の間にある組織が潰されて、その中にある椎間板がはみ出すことで発症します。
発症すると、はみ出した椎間板により背中の神経が圧迫され、腰や足に強いシビレを感じ、場合によっては歩くことができなくなる場合にもあります。
周囲の筋肉や関節の治療を行い、状態を安定させて自然治癒させることが一般的ですが、症状が重い場合は外科手術を行う場合もあります。
軽いウォーキングや水泳も効果的です。

脊椎分離症

脊椎分離症は、腰の曲げ伸ばしや捻りを繰り返すことで、椎間関節の骨に分離が起こることです。
骨が完全に成長しきっていない中高生が、腰に負担のかかるスポーツを繰り返し行うことで発症する場合が多いです。
自覚症状が出ないことが多いですが、腰を曲げたり反った場合に腰が痛むようなら注意が必要です。
また、長時間立っていると腰が痛くなる場合も脊椎分離症の可能があります。
日常生活では、コルセットを装着して安静にしていることが一番です。
症状がひどい場合は手術が必要になるケースもありますので、腰に痛みや違和感を感じたら早めにご相談ください。

骨折

骨折には、強い衝撃により骨が折れてしまう通常の「骨折」と、短期的に繰り返し負荷をかけたことによって生じる「疲労骨折」があり、スポーツ選手に多いのがこの疲労骨折です。
トレーニング中などの負荷によって骨に小さい損傷が起こることがあり、通常はすぐに修復されますが、この修復を上回ったトレーニングの負荷により修復が追いつかず疲労骨折になってしまいます。
一度疲労骨折を起こすと、治療しても繰り返してしまう場合が多いので、体力やトレーニング方法の見直しを行い再発を予防しましょう。

脱臼

脱臼は、ラグビーなど相手の選手と激しくぶつかり合うようなスポーツに多く見られ、骨と骨を繋いでいる場所であればどこでも起こる可能性があります。関節の靭帯を損傷してしまうような脱臼は激しい痛みを伴うことがあります。
特に相手の関節を攻撃の起点とする柔道や、関節を大きく動かすことが多い野球やテニス、水泳などは脱臼になりやすいです。